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2006年3月24日 (金)

「社内うつ」=適応障害

[冒頭にある追記] 本ブログへの新規記事を4/1で最後にしてからも、このタイトルには毎日二桁のアクセスが続いています。最後の記事から3ヶ月を過ぎ、私はほとんど完全復帰しているのですが、この記事へのコメントなどありましたら歓迎いたしますし、返信もさせて頂きたいと思います。(mmm, 2006/6/13)

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この種の記事で、久々に納得するものに出会いました。皆様のご参考まで。http://nikkeibp.jp/sj2005/report/82/

個人的には次のような内容に特に共鳴しました。<以下は記事からの部分的な引用です。>

本当のうつ病というのは遺伝的要因が強く、睡眠がまったく保てず、全体的なエネルギーがひどく下がってしまう病気です。うつ病はどこの国でもいつの時代でも人口の0.3%程度しかいない。ところが、相談に来る多くの人たちにそんな症状はなく、確かに職場では意欲や集中力が低下するが、職場を出れば元気になるし、住んでいる地域では町内会の世話役なども熱心にこなしている。つまり、これは適応障害なんですね。そこで、私はうつ病と区別するために、これを“社内うつ”と命名したんです。(中略)適応障害とは特定の人物や状況に遭遇したときだけ、苦痛や不安、抑うつ感に襲われる状態だ。こうした極度のストレスを引き起こす原因を“ストレッサー”と呼ぶが、社内うつでは職場の上司や仕事などがストレッサーとなり、自分でコントロールできないほどの状況になってしまう。そして、そのストレッサーが目の前から去れば、通常の元気な自分に戻るわけだ。 (中略)専門の医師でさえ、うつ病と社内うつを混同していることがあり、ストレッサーが何かを特定することなく、いきなり抗うつ剤を処方するケースもあるというが、これでは何の解決にもならない。 (中略)小杉教授は自らカウンセリングしている事業所の約1万4000人を対象に調査した結果、約6%強の社員が社内うつに該当することを突き止めた。 (中略)問題の多い事業所では15%ほども社内うつ状態の人がいました。カウンセリングルームに足を運んでいない人や軽症の人を含めて潜在的には一つの企業で30%程度は社内うつにかかっている可能性があるといえます。(中略)ある程度の権限を持って、仕事を動かし、先が見えるポジションにある人は社内うつにはかかりにくい(中略)仕事の量が多すぎて過労からうつ状態に陥るとよくいわれるが、ストレッサーになりやすいのは実は多忙であることよりも、仕事を自らコントロールできない不満や焦燥感にあるようだ。(中略)一種の天才的なスーパーハイパフォーマーは別ですが、まじめに努力してがんばって高い成果を上げているハイパフォーマーほど危ないと私は思います。彼らは成功したパターンにはまりやすく、『自分は仕事ができる』と自信過剰になりやすい。実はたまたま仕事が体質に合っていたり、時代や周囲の環境、誰かのサポートでうまくいっていたのかもしれない。そこを客観的に見ることができず、職種や職場や環境が変わって、一度失敗するとうつ状態になりやすいのです。

<ここからは私の思考です。>  私自身や私の(過去の)職場環境にはぴったりの内容です。流行言葉になりつつある「うつ」には何か周辺事情を覆い隠す響きがあります。引用中にあるような「遺伝的な要因」によって、会社や上司の責任を逃れようとする意図すら感じていました。「適応障害」という響きには、その環境にも問題があるという響きがあるのとは対照的です。強いて言えば、せっかく「適応障害」という分類があるのですから、「社内適応障害」と命名して欲しかったですが、「なんでもうつ」のご時世には「社内うつ」というコトバだけでも朗報です。

(日経BP社殿:ブログは「私的使用」だと思います。この引用に伴う、お咎めは無いですよね。)

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コメント

「うつ」という言葉に企業をはじめとする組織における種々の問題(マネジメント不足等)を覆い隠す響きがあるとのご指摘ですね。なるほどと思います。 そう言われると”適応障害者”という言葉にもどうもストレスの被害にあっている側に責任があるような響きがしませんか?

投稿: Amicizia | 2006年3月25日 (土) 11時30分

本質を突いたコメントありがとうございます。
言葉としての響きに関して、社会の何らかへの「適応」に「障害」があれば、最近は障害者の「勝ち」という風潮を前提に考えました。
反省するなら、このブログへのコメントには「障害者」という言葉がついているので、それだけで「読者」にバイアスをかけてしまっているのかもしれないと思ったりしています。
ちなみに、「適応障害者」は私の造語のつもりだったですが、別の方も使っています。(やっぱり検索エンジンは便利ではあります。)

投稿: mmm | 2006年3月25日 (土) 15時17分

mmmさん始めまして。
一年ほど前に会社の若手が一人適応障害で退職しました。地理的に離れていたのですが、当初はうつ系の病気だと思っていろいろアドバイスしていたらどうも違う、というときに本人から「適応障碍」という言葉を聞いて初めて知りました。
上で引用されていることは彼によく当てはまっていました。でもやはり周りからは単にやる気が足りないとか甘えているとか見られて気の毒でした。本人にも相当甘いところがあったとは思いましたが、上司も同僚も非は100%本人にあると思っていたところは悲しく思いましたね...
ところでやはり適応障碍とか擬態うつのうつ的な側面を強調しておきたいなとも思います。社内うつという言葉が必ずしも不適切ではない、ということです。それは、「過去にこだわる」「今の優先順位が付けられない」です。私自身にそういう傾向があります。
そんな時に面白く読んだ本を紹介しておきますね。そのうち私のblogでも紹介しようとおもいますが、高橋伸夫『できる社員は「やり過ごす」』です。Amazonの書評を読んでいただけると雰囲気がつかめるかと思います。未来の見通しを会社や上司がどれだけ示せるのか、というところがこのエントリと重なります。
では。

投稿: ほんのしおり | 2006年3月26日 (日) 16時26分

ほんのしおりさん:
コメントありがとうございます。
ご指摘の2点、うつ病のリスクファクターとされる性格に由来する傾向かもしれません。一方で、執着性格といわれる、仕事熱心、几帳面、責任感が強いなどの特徴を会社は有効に活用しているのですから、私の主張としては「会社はちゃんと面倒を見なさい」です。もしも執着性格のようなポジティブな面がない方や、いろいろな教育訓練でも改善されない方がいたとすれば、そんな人間を採用した方に問題があると思います。職場の上司や同僚は、(諸事情から)弱っている本人にではなく、再発防止も兼ねて、まずは人事部門に文句をつけてはどうかと思いますね。
『できる社員は「やり過ごす」』は未読ですし、この教授も知りませんでした。書評を読む限りは、大学教授の割には現実的な方とお見受けしました。面白そうな本のご紹介ありがとうございます。
ほんのしおりさんのブログでの「紹介」を期待しています。

投稿: mmm | 2006年3月26日 (日) 18時43分

お元気になられたようでなによりです。
ある人から薦められて、こちらを拝見しました。他の記事も読みましたが、とても参考になります。特に「社内適応障害」には賛成したいと思います。私の周りにも予備軍はたくさんいますし。
mmmさんの会社ではどうなんでしょうか?

投稿: グレート苗場 | 2006年6月14日 (水) 21時45分

グレート苗場さん:
早速のコメントありがとうございました。
いいお名前ですね。草津よりは若々しい。
ご質問ですが、ざっと言えば、1割が予備軍でその2-3割は会社を休む経験をしているようです。後の7-8割の内、胃潰瘍や不眠などで本当は会社を休めばいいのに、無理をしている方々が半分ぐらいでしょうか?
一方、はっきりとした(本来の意味での)「うつ病」の方は1%以下でしょうね。
参考まで。

投稿: mmm | 2006年6月15日 (木) 20時41分

こんにちは、完治おめでとうございます。
すいませんが質問です。
私は、心理士を目ざしていますが、適応傷害であったり、うつになったりしながら、どうして転職なさったりしないのでしょうか?
会社の中には相談室なるものがないしょうか

投稿: hikari | 2006年6月30日 (金) 20時05分

hikariさん
はじめまして。ご質問ありがとうございます。
会社を長期間休む発端となった、体調不調の発症(耳鳴り+心臓の高鳴り+胃痛)で会社の保健室に行った時、最初に言われたのは「人生に関わるような大きな判断を当面はしないこと」でした。辛うじて残っていた理性で、今の自分は論理的な思考はおろか、情緒面も極めて不安定になっているだろうことは自覚できましたましたから、その助言は全面的に受け入れました。
そして、当時、これはただの怠けではないか、と思い悩んだ中で保健室に行ったり、会社を休むことを決めたりしたのですが、あのような状態で休むことができない人が、病を拗らせたり、自殺に到ったりするのだろうなと思います。ここから今では「会社を休むにもある程度のメンタルタフネスは必要」だと考えています。
また、休暇中は最初に3ヶ月休む事を決めたので(それですぐ復帰できると思っていたので)、初期の症状が治まってからは、薬物治療やカウンセリングと平行して、職業訓練のようなつもりで英語の学習に精を出しました。その時に転職するという事は頭に浮かびませんでした。これは会社全体に深刻な問題は無いという確信からです。一方、最大の職場環境である上司を変えてもらうことは考え、実現もしました。
相談室といえば、会社に毎週来社する臨床心理士によるカウンセリングが相当しますが、それ以前に保健室の方が大きな役割を果たしてくれましたよ。
お答えになりましたか?

投稿: mmm | 2006年7月 1日 (土) 07時58分

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